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2014.8.30
INASOFT


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コラム - 私とレジストリ(作者編)




■レジストリとの出会い

 僕が「レジストリ」という言葉を聞いたのは、1997年の9月ごろだったと思う。
 当時、僕はとある高校のパソコン数学部というところで部長をやっていたのだが、文化祭の時に遊びに来た先輩に「Windowsってのは、レジストリというのがあって、そのレジストリを編集すると、面白いことができるんだよ」と教わった。

 高校3年生で、受験勉強まっしぐらでないといけなかったはずの僕だったが、当時はなぜか受験勉強よりもプログラミングの方に一生懸命だったため、周りが受験戦争をやっていたときも、僕はプログラミングをやり続けた。

 プログラミングをやっているとき、常にその「レジストリ」という言葉が気になっていたため、参考書を探しに行った本屋で、なぜかWindowsの関連書籍をあさって、レジストリというのがどんなものだか、調べることにした。

 と、このときに出会ったの本が、「Windows 95を256倍使うための本 Vol.1」(塩田紳二著,アスキー出版局)であり、現在の「いじくるつくーる」の原型である Rnsfldr ver.1 は、この本の内容から作られたものだった。

 なお、Rnsfldr ver.1は、公開に耐えうるものではなかったので、僕のレジストリを編集するソフトウェアの第1号はフリーセルのスコアを編集するソフトだったわけだが、そこらへんの話は「いじくるツール誕生秘話」に譲ることにしよう。


■レジストリって聞くとどう感じますか?

 まぁそんなわけで、僕は「プログラマ」としての立場から、レジストリにアプローチしていった。
 そういうことだったので、現在、よく言われるような「レジストリは怖い」みたいな先入観はなく、「単なる設定の集まりだろう」程度としか感じていなかった。もちろん、今でもその考えは変わっていない。

 「レジストリが壊れる」とは言っても、木造建築物が地震で壊れたような、あんなかんじに壊れるのではなく、何本も意図がはぐり巡らされた情報の網があって、その内一本の重要な意図が、プツンと切れたような、そんな感じの壊れ方をイメージする。

 人間で言えば、たくさんある神経細胞のうちの一つが壊れたような感じだろうか。

 たくさんある神経細胞の内、どうでも良いような神経細胞一つが壊れたくらいなら、さほど大きい問題にもならないだろうし、あとでなんらかのきっかけで自然修復されることもあるだろう(システムの根幹に関わるようなソフトウェアをインストールしたときなど)。

 しかし、もし、脊髄あたりの重要な神経細胞が壊れたら?
 脳細胞がいくつかまとめて壊れたら?

 そうなったときが、いわゆる「レジストリが壊れた」というような状態かなぁ、と僕はイメージしている。


■レジストリが壊れるってのは一種の脅し?

 まぁ、脅しといってしまえばそれまでだろうか。

 フリーソフトのプログラマとしては、常に最悪の状況が起きえることをユーザーに教え、「こんなことが起きる可能性があり、私は責任はありません」とあらかじめ言っておく。

 実際、フリーソフトのプログラマとはいえ、事故が起きれば無責任に過ごすわけではなく、助けを求めるユーザーになんらかの手をさしのべようとはするだろう。

 ただ、助けは無限に行われるわけではないことと、裁判になったときに負けないようにすること、この2点のために、「免責事項」を設けている、そんな感じだ。


■でも実際、壊れるんでしょ?

 毎月数例ではあるが、レジストリが壊れたという報告は聞く。
 たいがいは、レジストリエディタで、沢山のサブキーがぶら下がったキーを[DEL]キーでぷっちり消してしまったとか、ウイルスに侵入されてウイルスがレジストリをぶっ壊してくれたとか。

 レジストリのシステムは、プログラマが設定保存をするのをやりやすくしたという利点もあるが、それはウイルスにとっても同様の利点であり、ユーザーにとっては欠点ということになるのだろう。

 それから、レジストリが一つの巨大ファイルになったことで、ハードディスクの故障や不安定なOSの書き込みミスなどが原因で、レジストリに格納された設定全体がおかしくなる、なんてことも起きる。

 なので、今日も僕は言う。「レジストリのバックアップを取りなさい」。


■レジストリクリーナー機能も付けて下さい

 レジストリについて追求していくと、レジストリ自身も「最適化」が必要な存在であることがわかってくる。
 ファイルシステムと同様に、消したはずのエントリがゴミとして蓄積されたり、ソフトウェアの規約違反で漢字の名前で作られたレジストリキーが消せなくなってしまったり。

 そんなことから、レジストリを「最適化」する機能を付けて欲しいという要望も、多々寄せられている。

 でも、これは極めて難しい。
 僕は、レジストリについては「使い方」と「キー/エントリの膨大な資料」を武器にしてフリーソフト作りをしているが、「最適化」の世界では、これらは全く役に立たない。

 レジストリがファイルとして保存されたときの物理構成やら、実際にレジストリとして働くための論理構成やら、そういう裏事情をたくさん知っていなければならないのだ。

 残念ながら、僕にはその知識は全くない。
 (ついでに言うなら、そういう知識を得ようとする気力もない)

 というわけで、レジストリクリーナーの機能については、別の作者のソフトウェアを頼って欲しい。


■レジストリバックアップ機能も付けて下さい

 これは自分から自分へのお願い。
 編集ソフトなのだから、せめてレジストリ全体のバックアップを補助するような機能があったら良いな、と。
 この文章の執筆時点で、いじくるツールのバージョンは 6.08 だが、6.10になるころには、バックアップ補助機能が付けられたらなぁ…と思っている。



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