2012年1月に、おなじみのユーザーアンケート企画を行いました。御協力いただき、ありがとうございました。
アンケート内容は「フリーソフトへの寄付」に関するアンケートということで、かなりナイーブな話題でしたから、過去のアンケートと比べると、回答を集めにくかった感がありました。ですが、こうして貴重な意見をたくさんいただくことができましたので、今後活用して行けたらと思います。
下記に、結果についてまとめてみました。
ユーザー層は比較的若いようですね。
ちなみに前回(回答数が比較的多かったとき)と比べても、あまり違いの無い結果になっているようです。
男性ユーザーの比率が圧倒的に多いです。これも前回と同様。
まぁ、機械系のこととなると、やはり男性の方が比率が多くなる、という、一般的によく考えられている傾向と一致するのかもしれませんね。
前回と同様、あまり面白い分布にはなりませんでしたが、今回はグラフ化してみることにしました。
Windows 7の勢力がかなり強いようですね。Windows XP(x86)もそれなりですが、さすがに、発売からかなり時間が経過していることもあり、こんなところでしょうか。(むしろ、これだけ発売から時間が経過しているのに、これだけの数を保っているということに驚きを感じるべきか)
Windows Vistaは、相変わらず弱いようですね。まぁ、こればっかりは、仕方が無い。
Windows 2000も、根強く人気なようですね。INASOFTでは今後、Windows 2000をサポートから外すことになりましたので、なるべく早めに移行されることをお勧めします。
※上のグラフの中でiOSとありますが、おそらく、書いてみようと思った方がたまたま1名いらっしゃった、ということかと思います。実際には、潜在的な利用者は、もっと多いはずなので。iPhoneとか、iPadとか。
前回と同様でして、ダウンロード数では「すっきり!! デフラグ > いじくるつくーる」なのに、アンケートでは「すっきり!! デフラグ < いじくるつくーる」と出ます。
いじくるつくーるは、すっきり!! デフラグよりも更新頻度が高いので、よくサイトをチェックされているのでアンケートもチェックされやすい、ということかもしれません。
やはり、Windows 8に期待する声は高いみたいですね。
とはいえWindows 8は、まだ開発途中段階。Windows Vistaも、開発途中で公開されたものからはだいぶ機能ダウンしたものになったわけですので、Windows 8も、どういう形で正式公開になるのか、まだわかりませんね。
まぁ、こういう傾向になりますよね。
アドオンの同梱については名指しで「これは嫌だ」という声も来ておりました。(あえて名前は載せませんが。ちなみにそれはアドオンとは呼ばないんですけどね)
まとめると、日常のソフト使用時における使用感を、なるべく妨げないもの、という意見が大多数だった気がします。
なお、ここでアンケート収集をする上で反省すべき点がありました。「フリーソフト」に対する「寄付」とはどういうものなのか、僕の想いを明確に提示できていませんでしたね。だから「フリーソフト」に対する「寄付」のあり方について、アンケート回答者がそれぞれ、独自の発想で回答をしていたようでした。
僕にとっての「フリーソフト」への「寄付」というのは、次のようなものです。
そもそも寄付をした人/しない人を明示的に区別するためのシステムを構築するわけでもない(それにも手間が掛かるだろう)し、誰から寄付を受けたかを管理するわけでもないので。
ただ、僕が固定観念で考えている「フリーソフト」への「寄付」をアンケート回答者に強要しないことにより、むしろ、どういう形態をアンケート回答者が望んでいるかを、知ることができたかと思います。これについては、意見とを取り入れていきたいと思います。
なお、「寄付金の使用用途の公開」というのは、なるほど!と思いましたね。ただまぁ、実際には、『生活費』になるような気がしています。なにせ、開発環境はすでに揃って(買って)しまっていているわけですからね。「すでに買ってしまっている開発費への補填」という名目で、日々の生活費へ充てられる、といった感じで。なにせ、これからかかるコストは、自分への人件費(労働力への対価)くらいなもんでしょうから……。
とはいえ、それを名目にして「寄付を集めます」というのは、いかにも言いづらい。アピール方法としては、ユーザーに進んで寄付してもらうよう、喚起を促せる方法としては、かなり良いかと思いました。
(現実問題として、日本での寄付は、非常に集まりにくいことが知られています。なので「Photoshopを買いたいので寄付を集めます」「パソコンを買いたいので寄付を集めます」と言ったところで、現実に、寄付金が集まるのを待っていたら、途方もない時間がかかるわけですから)
気軽に支払えるもの、すでに実績のあるシステムを利用するもの、というのが良さそうですね。
クレジットカードというご意見もあったのですが、さすがに支払先が個人となるクレジットカード決済の実現は…ツライですね…。どこかのショッピングモールの一部になるのが近道でしょうか。
ありがとうございました。
(いただいた意見を、順番にそのまま記載しています)
シェアウェア化も検討すべきという意見をいただけたのはありがたいですね。ただ、前回のアンケート結果では、シェアウェア化に難色を示す意見が多く寄せられていましたので、慎重になりたいところです。
※上の表の中で「共存できる仕込み」とあるのは「共存できる仕組み」の誤りです。
でもまぁ、次にアンケート企画をやるとしたら「シェアウェア化について」に関する詳しいアンケートを採ってみたいですね。
それでは、また。
ユーザーからの寄付を用いて開発を行う場合、どういうふうになるか、ちょっと考えてみることにしました。
まず基本的に、無駄遣いはいけませんから、なるべく安価に・低コストで開発できるようにしていく必要が出てくるかと思います。
一昔前ならともかく、今ですと無料の開発環境(Visual Studio 2010 Express等)が豊富に揃うようになっていますので、それらを利用することになると思います。もちろん、いくつかの機能制限はあると思いますが、それを上回る効果はあると思いますし。
ユーザーインタフェースは簡素になると思いますが、それはそれで望ましいことかと思います。簡素を好むユーザーは多いはずですし。
開発ツールが無料で整うとなると、結局、寄付の使い道はどこになるのか、ということになると思いますが、開発環境周辺に対して使われることになるでしょうね。PC代・電気代・通信費など。しかしこれらもなるべく安価に抑える方向にすべきでしょう。
先のアンケートにもありましたが「寄付金の使い道を明示するとよい」というご意見がありました。せっかく寄付したのに、無駄遣いされていては意味がありませんからね。
よって、こうした部分を切り詰め、なるべく安いPC・安いプロバイダを選択するところから、寄付金による開発活動が始まるということかもしれません。
なんだか、「政府による税金の使い道を監視する国民」の構図と似てきましたね。
でも結局、そういうことかもしれません。政府は国民から税金を集めますが、無駄遣いしていたら意味が無いので、その使い道は、国民が監視する。作者はユーザーから寄付金を集めますが、無駄遣いしていたら意味が無いので、その使い道はユーザーが監視する。効率よくお金が使われていれば、作者はより少ない金銭で活動できるし、ユーザーは寄付金が有効活用されていることを知り、喜ぶ。
本来のクリエイター活動とは異なる、なんとも不思議な感じではありますが、これはこれで、別の意味でのモチベーション向上になるかもしれません。